頭痛や吐き気があるのに熱はなし。何科に行くべき?原因や危険な症状を解説

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「頭痛や吐き気があるけれど、熱はないのってどんな病気?」「下痢もあって心配」

熱がなく頭痛や吐き気がするといった症状は、危険な場合とそうでない場合に分かれます。本記事ではこれらの症状の原因を探り、どのように対処すれば良いのかご紹介します。

頭痛や吐き気はあるのに熱がない原因は主に2つ

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頭痛や吐き気があるときに熱が出ていると「風邪かもしれない」と勝手に想像して安心する方も多いかもしれません。一方で熱が出ないとなると、病気を疑ってしまう方も多いでしょう。

ここでは頭痛や吐き気あるのに熱がない原因を解説します。

大人に多い自律神経失調症

自律神経は私たちの意志に関係なく、心臓の動きや汗の分泌、消化などの生理機能を自動的に調節します。この活動はホメオスターシス(生体恒常性)を維持するために重要で、生命維持に欠かせません。

自律神経は間脳の視床下部にあり、交感神経と副交感神経という2つの神経から構成されています。交感神経は身体の活動を促進し、副交感神経は身体を休ませるのが特徴です。

しかしこれらの神経のバランスが乱れると自律神経失調症が発生し、身体的・精神的な不調が現れることがあります。

特に自律神経失調症は出産後や50歳以降の女性に多く見られます。男性の場合でも仕事が忙しくて休みが取れなかったり、真面目に仕事をこなしたりするタイプがなりやすいです。

自律神経失調症の症状

自律神経が乱れると頭痛、耳鳴り、動悸、手足のしびれや痛み、倦怠感、胃の不快感や吐き気などを発症します。自律神経失調症は複数の症状が組み合わさることが多いので、違う病気と間違えられやすいです。

自分でできる対処法

まずはしっかり寝て、食事の栄養バランスに気を付けることが大切です。また1日に20〜30分程度の運動も良いでしょう。

ただし、下記のような症状が出ている場合はすぐに医療機関で医師に診てもらいましょう。

  • これまで感じたことのない倦怠感
  • 仕事や日常生活でやる気が起きない
  • 異常なほどの汗が出る
  • 急な動悸・息切れ

これらの症状を放置していると、症状が悪化して長い期期にわたり治療しなくてはならない可能性があります。

女性に多い偏頭痛

片頭痛は頭痛を引き起こす疾患の一つで、20〜40代の女性に多く見られます。何らかの理由で三叉神経から痛みの物質が放出されたときに、脳の血管が拡張することで引き起こされると考えられています。

月に1回程度の頭痛が定期的に続いて、片側に見られるのが一般的です。

ズキンズキンと脈打つような痛みがあり、発作は4~72時間程度続くことも。頭痛が起こる前の前駆症状として目のチカチカや弱い痛みを感じることがあります。

ストレスや睡眠不足がきっかけとなり、症状が悪化するケースもあります。頭痛が強くなると吐き気を伴うこともあるかもしれません。

頭痛を引き起こすタイミング
  • 疲れやストレスで自己免疫力が弱っている
  • 生理前・妊娠中・出産後・更年期など女性特有の症状
  • アルコールを摂取

特に女性ホルモンの乱れが生じた際に起こりやすいです。

自分でできる対処法

自分でできる対策としては、まず暗い場所で体を動かさず安静にすることです。また脳の血管の拡張を抑制するために、冷却シートを使って冷やすのも良いでしょう。

ただし市販の鎮痛剤が効果を発揮する場合もありますが、月に何度も偏頭痛がある場合は医師に相談し、予防薬の処方を受けることも重要です。

頭痛には怖い・怖くない種類がある

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ただの頭痛だと思ったら、実は大きな病気が隠されていることもあります。ここでは危険ではない頭痛でもある「一次性頭痛」と危険な頭痛「二次性頭痛」に関して詳しく解説します。

危険ではない一次性頭痛

危険ではない頭痛は上記でもご紹介した偏頭痛もあります。その他に「緊張型頭痛」「群発頭痛」が挙げられます。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭痛の一種で、一般的にはストレスや筋肉の緊張に関連している症状です。この種の頭痛は、頭部全体に圧迫感や締め付けられるような感覚を伴うことがあります。

頭皮や首の筋肉が緊張していると感じることもあるでしょう。緊張型頭痛は片頭痛と異なり、一方の側に限られることはありません。

基本的には軽度から中等度の痛みがありますが、鋭い痛みや拍動する痛みはほとんどないです。

悪心や嘔吐は併発しないのも緊張型頭痛の特徴です。緊張型頭痛の発作は通常、数時間から数日間続きます。

緊張型頭痛は、特に長期間にわたってストレスや不安、姿勢の悪さ、眠りの質の低下などが続いた場合に発症することがあります。そのようなケースは医療機関で受診しましょう。

群発頭痛

群発頭痛は非常に激しい頭痛が起こり、苦痛な発作が繰り返し発生する特徴があります。主に男性が多く、女性にはほとんど起こりません。

群発頭痛は片側の頭部、目の周囲や顔の一部に限局した非常に激しい痛みを引き起こします。15分から3時間程度続きますが、30分から90分の間にピークに達します。ひどい場合は数ヶ月続くこともあるでしょう。

症状としては涙目、鼻水、目の充血、瞳孔の収縮などの自律神経の症状が伴うのが特徴です。

群発頭痛の原因は完全には解明されていませんが、神経の異常や血管の拡張、神経伝達物質の変化などが関与していると考えられています。

危険な二次性頭痛

危険な頭痛とは、脳疾患などが原因で起こることです。以下では特に注意しなくてはならない疾患をまとめました。

くも膜下出血

くも膜下出血の典型的な症状は、激しい頭痛、意識障害、嘔吐などです。

くも膜下出血の90%は、脳動脈瘤が破裂することによって引き起こされます。脳動脈瘤が破裂すると、吐き気を伴う、突然の激しい頭痛を起こします。

「突然ガーンと殴られたような感覚」と表現されるのが特徴です。このような症状が現れた場合は、直ちに医療機関での診察を受けましょう。

脳腫瘍

脳腫瘍は頭蓋内にできた腫瘍で、脳組織やその周囲の組織に形成されます。腫瘍が大きくなると周囲の脳組織を圧迫し、神経機能に影響を与える可能性があります。

さらに持続的な頭痛が生じることがあり、早朝から朝方にかけて痛むことが多いです。

さらに脳腫瘍が圧迫することで、吐き気がないのに突然嘔吐することがあるので、この症状が出たらすぐに病院へ行くようにしましょう。

熱中症

熱中症は炎天下や高温の環境下に長時間滞在したことにより、体温調節機能が失われ、体内に熱がこもる状態を指します。

初期の段階では、立ちくらみ、筋肉痛、大量の汗などの症状が現れます。これらの症状がある場合は、涼しい場所で休息し水分補給を行うなどの応急処置が必要です。

しかし、頭痛、吐き気、麻痺などの症状が進行する場合は、中等症と見なされます。

意識障害や手足の運動障害が発生すると、救急医療が必要です。特に免疫力の低い高齢者や子供の場合は、命に関わる可能性があるため、速やかに医療機関を受診する必要があります。

頭痛・吐き気・下痢はあるのに熱がない原因

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上記では熱はないけれど、頭痛と吐き気を伴う症状をご紹介しましたが、ここでは下痢の症状を含む疾患を解説します。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎(感染性胃腸炎)は、胃や腸の炎症を引き起こす感染症です。ウイルス、細菌、あるいは寄生虫が原因となって発症します。

通常は数日から1週間程度で症状が改善しますが、重症化するケースもあります。

ウイルス性胃腸炎は手洗いや衛生習慣の改善などを通じて予防することができますが、高齢者や免疫力の低下した方の場合はかかりやすいため注意しなくてはなりません。

ウイルス性胃腸炎の症状

潜伏期間は1~3日程度です。主な症状には、下痢、嘔吐、腹痛、発熱、悪寒などが含まれます。

子供の場合は嘔吐、大人は下痢が多くみられます。

また、下痢が続くと脱水症状となり、頭痛を引き起こしてしまうこともあります。そのため、しっかり水分補給をするようにしましょう。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2型(SARS-CoV-2)によって引き起こされる感染症です。飛沫感染や接触感染などで人から人へ感染します。

また、症状が回復してもCOVID-19感染症後遺症として、頭痛や倦怠感が続くとの報告もあります。

新型コロナウイルス感染症の症状

咳や発熱、風邪のような初期症状が現れるとされていますが、最近は下痢の症状もあると言われるようになりました。

日本消化器病学会によると、新型コロナウイルス感染症患者の中で、下痢や腹痛などの消化器症状を訴える人は15~50%の範囲で認められるとされています。

新型コロナウイルスが主に呼吸器系に影響を及ぼす感染症である一方で、消化器症状も発生することも。

急性胃炎

急性胃炎は、胃の内壁が炎症を起こしている状態です。急性胃炎は胃の粘膜が刺激されることによって引き起こされます。

主に食物、薬物の使用、アルコールの摂取、ストレス、感染症、胃酸の過剰な分泌などが原因です。

の症状

急性胃炎の症状として、主に腹痛、吐き気と嘔吐、食欲不振、消化不良、胃酸の逆流が見られます。

熱はないのに頭痛や吐き気がある場合は何科に行けばいい?

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初めて病院に行く方は、どうやって探すのが良いかわからない方も多いでしょう。症状によって診療科は異なります。下記で症状別に解説しているので参考にしてください。情報

吐き気・頭痛がある場合は脳神経外科や脳神経内科

吐き気や頭痛を伴う場合は、脳神経外科や脳神経内科がある病院を受診しましょう。

いくつかの異なる要因が考えられますが、吐き気や頭痛の原因が脳に関連している可能性があるためです。脳に関する問題や疾患を専門に扱う医師が適切な診断と治療を行います。

一方、吐き気や頭痛がストレスや自律神経の乱れによるものである可能性も考えられます。この場合は、心療内科を受診することが適切です。

心療内科の医師は、心理的な要因やストレスに関する専門知識や情報を持っているため、正しい判断でアドバイスしてくれます。

しかし、これらの診療科が近くにない場合は、一般内科の医師に相談することも視野に入れましょう。一般内科医はさまざまな症状に対応し、必要に応じて適切な専門家への紹介をしてくれることがあります。

症状が気になる場合は迅速に医療機関を受診し、専門医の意見を求めることが大切です。

偏頭痛の場合は脳神経内科

診療ではまず頭痛の原因が病気によるものかどうかを調べます。病気や他の医学的な問題がある場合は、適切な検査や評価を行って原因を特定し治療法を選択します。

患者に病気の兆候がない場合、片頭痛の治療に飲み薬が使用されます。内服薬には、頭痛の発作を和らげるための鎮痛剤だけでなく、頭痛の発作を予防するための頭痛予防薬も含まれます。

これらの薬を服用することで、頭痛の発作の頻度や重症度を軽減することが可能です。特に日常生活に支障をきたす方に有効です。

頭痛や手足などの麻痺がある場合は救急受診

頭痛や手足などの麻痺がある場合、脳卒中や脳出血の可能性があります。

脳卒中は脳の血管に異常が起こり、血流が阻害されることで脳細胞が壊死する状態です。一方、脳出血は脳を貫いて走る非常に細い血管(穿通枝)が破裂して出血し、その出血によって周囲の神経細胞が障害される病気です。

このような症状が現れると、命に関わる可能性が高いため、速やかに救急受診をする必要があります。

これらの症状には、突然の強い頭痛、片側の手足の麻痺、顔面の麻痺、言葉の遅れや混乱、歩行困難などがあります。そのため迅速な医療介入が必要です。

早期の対処が非常に重要で、治療が遅れると重大な後遺症や命に関わる合併症を引き起こす可能性があります。

子供の頭痛や吐き気は危険?

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子供の頭痛はストレス、疲労、スマホによる眼精疲労、不規則な食事や睡眠、感染症、頭部外傷などさまざまな原因によって引き起こされます。

子どもの片頭痛は、前頭側頭部であれば頭痛の持続時間は1~72時間です。光の強いテレビを嫌がり、暗い場所に寝たがる傾向にあります。

頭痛の大部分は一過性であり、安静にして十分な休息を取ることで改善されることがあります。しかし、特に子供が頭痛を経験する場合、重篤な病気の兆候がある可能性もあるため注意が必要です。

頭痛が頻繁に起こる、突然激しい頭痛がある、頭痛が他の症状とともに現れる場合などは、医師の診察を受けることが重要です。

しかし子供の場合は自分から症状をうまく使えることができないため、我慢していることもあるかもしれません。大人がきちんと症状を把握して、専門医に伝えるようにしましょう。

頭痛や吐き気に関するよくある質問

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頭痛や吐き気を感じた際、どのような行動を取れば良いのかわからない方のために、皆さんが抱える悩みをまとめました。早速どんな内容なのかを見ていきましょう。

寒気がするときの対処法は?

寒気(悪寒)が出たら、まずは体温を上げることが優先です。体温の上昇を助けるために、部屋の温度を上げたり衣服で暖かくしたりしましょう。

さらに身体を温める食べ物や飲み物を摂ることがおすすめです。暖かい飲み物やスープ、生姜や唐辛子を含む食品などが体を内側から温めるのに役立ちます。

また、風邪やインフルエンザなどの症状を緩和し、体力を消耗する症状を和らげるために、風邪薬や葛根湯など体を温める生薬が配合された風邪薬を利用することも有効です。

これらの薬は、体の免疫力をサポートし、ウイルスと戦う体を支援してくれます。ただし、必要に応じて医師の診察を受けましょう。

病院に行く目安は?

以下のような状況であれば病院に行くことをおすすめします。

  • 頭痛以外の症状も同時に伴う場合
  • 今までに経験したことのない頭痛や徐々に悪化する頭痛
  • 吐き気や嘔吐、手足の動きづらさ、発熱などがある場合
  • 食中毒を疑う場合

病院での診断では、まずは二次性頭痛を否定するための診断が行われます。他の疾患や病気による頭痛の可能性を排除することが優先されます。

その後、一次性頭痛の鑑別診断が行われ、片頭痛、群発頭痛などの種類を判断し、治療方法を決定するための検査が詳細に行われます。

当日ならクリニックや病院に電話し、診察時間を予約するのがスムーズですが、緊急を要するなら救急外来を受診しましょう。

肩こりと頭痛は関係ある?

肩こりがひどい場合、肩や首の周りの筋肉が緊張し、血流不足で血流が滞っている可能性があります。この筋肉の過度な緊張と血流不足は、頭蓋骨の筋膜にも影響を及ぼし、「緊張型頭痛」と呼ばれる頭痛を引き起こしてしまいます。

首や肩の筋肉の緊張を和らげるためには、ストレッチやマッサージ、温熱療法、正しい姿勢の維持がおすすめです。

また、ストレス管理や適切な睡眠も肩こりや頭痛の緩和に効果的です。しかし、肩こりによる頭痛が普段からあり、慢性的であれば一度医師の診断を受けるようにしましょう。

頭が痛くて気持ち悪い時の対処法は?

頭が痛いと感じた場合、こめかみで脈を打っている部分を冷却シートや氷枕などで冷やしてみてください。また、吐き気止めを飲むのもおすすめです。

片頭痛の場合は体を動かすと痛みが助長される傾向があるため、安静にして過ごすことが重要です。

また、光や音などの過敏な刺激を避けるようにしましょう。

カフェインを含んだコーヒーなどは血管を収縮させる作用があるため、痛みが緩和されることがあります。ただし、カフェインの摂取量には注意が必要です。適切な量を摂取することが重要です。

上記の対処法が痛みの軽減に役立つ場合がありますが、症状が慢性化し頻繁に痛みが起こる場合は、医師の診断を受けることが重要です。

めまいもするのですが

めまいには種類があり、以下の3つが挙げられます。

  • 回転性めまい:視界が急にぐるぐると回る
  • 浮動性(動揺性)めまい:ふわふわ浮くような感覚
  • 失神性めまい:急に目の前が真っ暗になる・立ちくらみがある

回転性めまいや失神性めまいの場合、脳疾患の可能性が高いです。具体的には、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍などの病気が疑われます。

特に、突然の回転性めまいや視界の真っ暗さといった症状は重大な警告サインなので、すぐさま医師の診断を受けることが重要です。

頭痛や吐き気があるが熱はないときまとめ

熱はないのに頭痛や吐き気がある場合は、どんな病気なのか心配になってしまいますよね。ただし生理前や生理中の女性は特に頭痛や吐き気を感じることが多いため、一概に病気であるとはいい切れません。

そのため、自分の症状がどれなのかを上記で確認してから、病院のホームページに掲載されている電話やメールにて問い合わせするのがスムーズです。

病院やクリニックでは何科に行けば良いのか案内してくれますよ。健康リスクを高めないためにも、あなたの身体をきちんと理解して行動しましょう。